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パクリの美学
私は誰かの作品をパクることは特に否定はしない。
なぜなら芸術とは「模倣」から始めなければならないから。 芸術家は、模倣からスタートし独自の様式を確立した。 模倣が苦手で初期にオリジナリティを確立したものもいれば、 異常なくらい模倣が得意でそのまま消えていく人もいた。 盗作は犯罪である。 パクリは「必要悪」なのだ。 そもそも人間だって同じである。 自分は個性的な人間だなんて思っていても、 所詮、誰かの真似をしているに過ぎない。 さて、 モーツァルトの戴冠ミサから「神の子羊」。 最初の4小節を聞いて欲しい。 http://jp.youtube.com/watch?v=akvnGqQ7pZg 次に、 フィガロの結婚のアリア「楽しい日々はどこへ」。 同じく、最初の4小節を聞いてください。 http://jp.youtube.com/watch?v=cCBKkIEZHKY ヘ長調とハ長調の違い、 3拍子と2拍子の違いで、ほぼ同一である。 戴冠ミサはフィガロの結婚の6年前に作曲されたので、 フィガロの結婚の方がパクリになる。 別にお互い自分の作品なのだから、 誰も文句は言えないだろうし、 それぞれ完成度が高いゆえに、 単なるパクリと言えなくなってしまう…。 こういった現象は、 現代のポップスにも窺い知るとこが出来る。 「メロディの一部をパクリ」の場合。 Earth Wind and Fire のFantasy(歴史に残る名曲です)。 http://jp.youtube.com/watch?v=WTYKhk2cDVc 2分15秒目のメロディーの「COME TO SEE…」から。 (対訳:ファンタジーという名の国で勝利を手にしてみるがいい…) …素晴らしい、名曲。 続いて、 Nakashima Mika のResistanceより。 http://jp.youtube.com/watch?v=CO8WGKBidYs 歌いだしのメロディー。 ピアノ曲→歌へのパクリ。 http://jp.youtube.com/watch?v=Aj7GZlY0fhE ショパンの幻想曲だが、 「雪の降る街を」とつい口ずさんでしまう。 「世界観のパクリ」の場合。 Madonna のMaterial Girlより。 http://jp.youtube.com/watch?v=tpAcz2tKaSM 続いて、 REBECCA のLove is Cashより。 http://jp.youtube.com/watch?v=_sf_ksiBYp0 世界観のパクリは、 これといった決め手はないのだが、 なんとなく似ていることである。 「Material Girl≒Love is Cash」は決して遠くはない。 近年、アジア諸国でのパクリ問題が取り上げられるが、 「パクリ・オンリー」の場合は、 絶対にオリジナルを越えることが出来ない。 もともと日本だって高度成長期に、 欧米諸国のものをパクってきた。 ただ日本の場合は、 「パクリ+発展=オリジナル」のスタイルゆえに、 誰も文句が言えなかったに違いない。 それはまるで、 レオナルド・ダ・ヴィンチが 自分の師の実力を上回ってしまったのと似ている。
by scalaza
| 2008-09-25 01:54
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