> 日本オペラ「脳死をこえて」
オペラというと「イタリアオペラ」が代名詞のようになっているが、
「日本オペラ」と言うものも当然、存在する。
何を言っているのか分からないイタリア語より、
ある意味、ストレートに私たちの耳に入るであろう。

「脳死をこえて」と言うオペラはご存知であろうか?

時代は1983年…。
場所は主に京都府立医大付属病院という、ごく身近な設定である。
若い妻の日常生活の中に、突然、夫が交通事故に遭ったという連絡。
緊急手術を行った大津の病院で脳死の宣告を受け、
脳死と植物人間との違いや、(当時の)脳死判定基準が歌われる。

夫の手を握ると暖かいので、死んでいると思えない妻は、
京都の病院の主治医の所への移送を願う。

脳外科医や移植医が臓器移植を勧める一方、
患者の家族の心情も考え葛藤する主治医。
その主治医が患者の妻に臓器移植を提案し、
妻が承諾するストーリーがメインになる。

そして、移植適合者一位に選ばれながら、
濃霧で飛行機も船も出ず、京都の病院まで行けずに
焦って荒れ狂う徳島の少女とその父親。

適合者二位に選ばれて病院まで来たものの、
結局、一位の少女が到着して移植は受けられず、
落胆する主婦とその家族。

移植を受ける側の心情も場面として挿入し、
物語を多面的に厚くしている。

イタリアオペラのような、惚れた腫れただけがオペラではない。
ドラマ性のあるものには、すべてオペラ化が可能なのである。
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by scalaza | 2006-12-28 07:10