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> 「トリスタンとイゾルデ」
1857年から1859年にかけて作曲されたこの楽劇は、
1865ミュンヘンで初演され、3幕もの4時間コースとなってしまった。

トリスタンはスコットランド国王マルケの甥で、
王妃となるイゾルデを迎えに行くが、
その帰路、彼女の媚薬により2人は愛し合うようになり、
最後は悲劇で終わる。

短縮すれば、説明は5秒とかからない。

さて、この作品はワーグナー自身の友人、
ヴェーゼンドンク夫人マティルデとの悲恋が投影されているらしいが、
真意のほどはなんともいえない。

音楽的には半音階和法を徹底し、
前奏曲、第2幕の愛の二重唱、
最終場面の「イゾルデの愛の死」がよく知られる。

また、本楽曲はトリスタン和音が使われている曲としてもよく知られ、
この無限旋律がまるで螺旋のように高まっていく愛の二重唱。
永遠の夜と死をたたえ、
昼の世界の名誉や誇りのむなしさを、小一時間も呪っていた…。

イタリアオペラばかり見ていると、
愛の表現の仕方にギャップを感じてしまう。
「限りなく相手の耳元で愛をさけぶ」イタリアのほうが分かりやすい。

ある意味、快楽至上主義的なイタリアにくらべ、
理路整然とカマストラをまじめな顔で語られているようだ。

スイスを挟んでこうも感覚が違うのか?
アルプス山脈は偉大である。
by scalaza | 2008-01-08 18:29

川倉 靖(かわくらやすし)氏による2009-10年スカラ座オペラのブログです。
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